北海道・北東北の縄文遺跡群ー3

岩手県・秋田県エリア

御所野遺跡

【高床倉庫(復元)】画像引用元:wikimedia commons クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植 著作権者:小池 隆

岩手県二戸郡一戸町にある縄文時代の環状集落遺跡です。

馬淵川右岸に位置し、東西に長く伸びる河岸段丘(河川に沿ってできた階段状の地形)の標高190-200メートルの中位段丘面にあります。

周辺には、ケヤキやブナといった広葉樹の林が広がり、クリ、アケビ、ドングリ等が豊富に実り、馬淵川ではサケやマスが獲ることができる環境にあります。

本遺跡で見つかった竪穴建物の痕跡は、全国的に例がない縄文時代の土屋根竪穴建物であることが立証されています。

大湯環状列石(おおゆかんじょうれっせき)

画像引用元:Photo AC

秋田県鹿角市十和田大湯にある、縄文時代後期の大型配石遺跡です。

1,931年(昭和6年)に発見され、約130メートルの距離をおいて東西に対峙する野中堂と万座の環状列石で構成されています。

大きい方の万座遺跡の環状直径は46mで、現在発見されている中では日本最大です。組石は大きいほうの万座では48基、野中堂のほうは44基あります。

遺跡の使用目的に関しては諸説ありますが、近くには構造が似ている一本木後ロ遺跡があり、これは墓であることが調査によって明らかになっています。

またそれぞれの配石遺構の下から副葬品をともなう土坑が検出されたため大規模な共同墓地と考えられています。

伊勢堂岱遺跡(いせどうたいいせき)

画像引用元:Photo AC

秋田県北秋田市脇神字伊勢堂岱にある縄文時代後期前半の環状列石主体の遺跡です。

湯車川付近の標高40~45mの河岸段丘の上にあり、国内で唯一4つの環状列石が発見された遺跡です。

掘立柱建物跡、土坑墓、土器埋没遺構、捨て場、フラスコ状土坑、日時計型組石、そして前述の4つの環状列石から構成されています。

世界遺産登録

北海道・北東北の縄文遺跡群は、

(iii)現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統又は文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくとも希有な存在)である。

(v)あるひとつの文化(または複数の文化)を特徴づけるような伝統的居住形態若しくは陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本である(特に不可逆的な変化によりその存続が危ぶまれているもの)

上記の基準を満たしているとして、2,021年にユネスコ世界遺産へ登録されました。


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です