紀伊山地の霊場と参詣道-2
大峯山寺


大峰山寺(おおみねさんじ)は、奈良県吉野郡天川村にある修験道の寺院です。
大峰山山上ヶ岳の山頂に建ち、平安時代初期から現在に至るまで女人禁制で、毎年5月3日に戸開式(とあけしき)、9月23日に戸閉式(とじめしき)が行われています。
山頂の本堂に蔵王権現像を祀っており、前回の記事にある吉野山の金峯山寺の本堂(蔵王堂)が「山下の蔵王堂」というのに対し「山上の蔵王堂」と呼ばれています。
山上と山下の蔵王堂は20数km離れており、現在では別個の寺院となっていますが、元々は金峯山寺というひとつの修験寺院の一部で、現在のように別個の寺に分かれたのは近代以降のことです。
大峯山寺本堂


熊野本宮大社


熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)は、和歌山県田辺市本宮町本宮にある神社です。
熊野速玉大社、熊野那智大社と共に熊野三山(全国に約三千社ある熊野神社の総本山)を構成しています。
家都美御子大神(けつみみこのおおかみ<スサノオノミコト>)を主祭神としています。
熊野速玉大社


熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)は、和歌山県新宮市新宮にある神社です。
前記の通り、熊野本宮大社、熊野那智大社と共に、熊野三山を構成しています。
熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ<イザナギノミコト>)と熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ<イザナミノミコト>)を主祭神としています。
熊野那智大社


熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町(ひがしむろぐん なちかつうらちょう)那智山にある神社です。
前記の通り、熊野本宮大社、熊野速玉大社と共に、熊野三山を構成しています。
熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ<イザナミノミコト>)を主祭神としています。
※(熊野三山の主祭神については他にも説がありますが、ここではスサノオノミコト、イザナギノミコト、イザナミノミコトとしました)
一説には、那智山の奥にある妙法山に登るための禊祓(身体のケガレを落とすこと)の地であった那智滝が神聖化し、夫須美神が勧請されて創建されたといいます。
三重塔と那智滝


青岸渡寺


青岸渡寺(せいがんとじ)は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山にある天台宗の寺院です。
山号は那智山、本尊は如意輪観音です。
伝承では、仁徳天皇の時代に天竺(インド)より渡来した裸形上人による開基とされており、裸形上人が那智滝の滝壺で得た金製の如意輪観音を本尊として安置したといいます。
後に推古天皇の勅願時となり、6世紀末から7世紀初に生仏聖(しょうぶつひじり)が伽藍を建立し丈六の本尊を安置してその胎内に裸形上人感得の如意輪観音を納め、如意輪堂を建立したといいます。
以上はあくまでも伝承ですが、那智滝を中心とした自然信仰の場として早くから開けていたと思われます。
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