日光の社寺
日光の社寺とは、栃木県日光市にある寺社などから構成されるユネスコの世界遺産のことを言います。
日光山内、二社一寺とも称されます。
1998年(平成10年)5月14日、世界遺産登録推薦にさきがけて国の史跡に指定されました。指定名は「日光山内」です。
・日光東照宮
・日光二荒山神社
・日光輪王寺
の二社一寺で構成されています。
日光東照宮


江戸幕府(徳川幕府)の初代将軍である徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を主祭神として祀る、全国の東照宮の総本社的存在です。
他の東照宮と区別するため、日光東照宮と呼ばれており公式サイトにも日光東照宮と書かれています。
隣接する輪王寺は奈良時代の開山、以来関東の霊場として尊崇を集め、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝からも寄進を受けました。
頼朝は母方の縁者(熱田大宮司家の出身者)を別当(寺務を統括する長官的役割の僧)に据え、以来、鎌倉幕府、関東公方、後北条氏(小田原北条氏)の歴代を通じて、東国の宗教的権威となっていました。
こうした歴史を背景に徳川氏は日光東照宮を造営したと考えられています。
社殿に見えるさまざまな動物
眠り猫


【見ざる 聞かざる 言わざる】の三猿


眠りねこの裏面のすずめ


日光東照軍の建物には様々な動物が彫られており、これらの動物たちは平和を象徴しています。
眠り猫は、踏ん張っていることから「家康を護るために寝ていると見せかけ、いつでも飛び掛かれるようにしている」ともいわれますが、「裏ですずめが舞っていても気にせずに猫が眠っていられるほど平和」という教えを表しています。
神厩舎には8枚の猿の彫刻があり、これらは猿が馬を守る動物という伝承からで、猿の一生、ひいては人間の平和な一生の過ごし方を説いたものです。
眠り猫と並んで有名な、【見ざる 聞かざる 言わざる】の三猿はこのうちの1枚にであり、「幼少期には悪事を見ない、聞かない、言わないほうが良い」という教えを表しています。
輪王寺
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天台宗の門跡寺院。日光東照宮、日光二荒山神社とあわせて二社一寺と称されています。
また、輪王寺は日光山中にある寺院群の総称でもあります。
創建は奈良時代へ遡り、近世になり徳川家康の庇護を受け繁栄を極めました。
国宝や重要文化財を多数所有し、徳川家光を祀った大猷院霊廟や本堂である三仏堂などの古建築も多いです。
本堂の三仏堂(上記画像)は徳川家光の寄進により建てられました。国の重要文化財であり、東日本最大の木造建築物です。
輪王寺 観音堂

輪王寺 大猷院廟唐門

輪王寺 慈眼堂

輪王寺 慈眼堂 天海墓

日光二荒山神社

関東平野北部、日光連山の主峰・日光三山(にっこうさんざん)を神体山として祀る神社です。
式内社(※明神大社)、下野国一宮(下野国で最も社格が高い神社)。
日光三山は男体山(古名・二荒山)、女峰山、太郎山からなり、二荒山神社ではそれぞれに神をあてて祀っています。
三山のほか日光連山を境内地とし、面積は3,400haにも及び、その神域には、「華厳の滝」や「いろは坂」も含まれています。
古来より修験道の霊場として崇敬されていて、江戸時代に日光東照宮が造営されると二荒山神社も重要視され、現在の世界遺産。重要文化財指定の主な社殿が造営されました。
国宝指定の刀剣二振や多数の重要文化財の刀剣等を現在に伝えています。
世界遺産登録
【日光の社寺】は
(i)人間の創造的才能を表す傑作である。
(iv)歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。
(vi)顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある(この基準は他の基準とあわせて用いられることが望ましい)。
上記の基準を満たしているとして1999年にユネスコ世界遺産へ登録されました。
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