10:トゥルグ・ジウのブランクーシ記念作品群
20世紀の抽象彫刻に決定的な影響を与えた、20世紀を代表する彫刻家「コンスタンティン・ブランクーシ」。
ルーマニア出身の彼が第一次世界大戦の後の1938年
町を守った戦士たちを称えて故郷に彫刻を造りました。
その3つの作品が
・無限の柱(Chairs’ Alley and The Endless Column)
・キスの門(The Gate of the Kiss)
・沈黙のテーブル(The Table of Silence)
です。
無限の柱(Chairs’ Alley and The Endless Column)


ブランクーシによって送られた3つのモニュメントはトゥルグ・ジウ中心部を東西に走る道に造られました。
その最も東に位置するのが「無限の柱」です。
菱のモジュールを15個、さらに最上部と最下部に半分の菱形モジュールがあるため、合計16個のモジュールから成ります。
上部と下部に不完全な形状のモジュールを置くことにより、無限の概念、戦士たちの無限の犠牲を表したものです。
高さは29.3mです。
キスの門(The Gate of the Kiss)


通りの最も西に位置するのが「キスの門」です。
大理石で出来た小さな門で、両柱にはキスのモチーフが2つ描かれています。
この門を通ることにより、別の人生へ移行することを表しています。
門の幅は 6.45 メートル
高さは 5.13 メートルです。
沈黙のテーブル(The Table of Silence)


3つのモニュメントの中心、ジウ川の傍にあるのが「沈黙のテーブル」です。
沈黙のテーブルは、時間を象徴する12個の砂時計型の椅子と、それらに囲まれた円形の石で構成されています。
この彫刻については様々な解釈がなされてきました。
ある人は、戦いの前の瞬間を表していると言い。
また別の人は、最後の晩餐を表していると言います。
椅子は12使途であり円形のテーブルがイエス自身を表しており
使途たちがイエスの周りに座っている状態を表していると言います。
東西に並んだ3つのオブジェクトを太陽が昇る東側から解釈すると
1:祖国を守り、戦争の犠牲になった戦士たちは
2:イエスの元へと召され
3:祝福のキスを受け、天国の門をくぐる
ということなのでしょうか。
世界遺産登録
トゥルグ・ジウのブランクーシ記念作品群は
(i)人間の創造的才能を表す傑作である。
(ii)建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。
上記の基準を満たし
2024年にユネスコ世界遺産に登録されました。
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